外壁塗装に使用される塗料の種類と特徴(2)-主な塗料のメリット・デメリット

最終更新日:2024.07.26

前回「外壁塗装に使用される塗料の種類と特徴(1)-塗料の選び方」で、外壁塗装に使われる塗料について大まかに説明しましたが、今回は主な塗料(製品)のそれぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説します。

外壁塗装に使われる主な塗料としてだいたい以下のような塗料を見かけると思います。それぞれに費用、機能などの違いがあります。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • ラジカル制御型塗料
  • フッ素塗料
  • 光触媒塗料
  • 無機塗料

<アクリル塗料>

耐用年数 :約5〜7年程度
単価: 1,400〜1,600円/㎡

アクリル塗料のメリットは「安価」であることです。しかしながら耐用年数が短いので頻繁に塗り替える必要があります。通常の外壁塗装には不向きで、近年では選択されることが少なくなりました。
ただ、発色が良いので短期間の運用を想定した建物に使用したり、イメージチェンジで短期間で塗り替える前提のケースなどに使用されることがあります。

<ウレタン塗料>

耐用年数 :約6〜10年程度
単価: 1,700〜2,500円/㎡

アクリル塗料の次にグレードが低く、安価なのがウレタン塗料です。こちらもアクリル塗料ほどではないですが、耐久性が低いものです。
近年では、ウレタン塗料の一つ上のグレードと言われるシリコン塗料との価格差が無くなってきたため、敢えてこちらを選択することはあまりなくなりました。

<シリコン塗料>

耐用年数 :約10〜15年程度
単価: 1,700〜2,500円/㎡

シリコン塗料に使われるシリコン樹脂は、非常に安定性の高い耐久性、汚れや紫外線に対する強さも兼ね備えています。コストパフォーマンスも良く、外壁塗装に使われる塗料としては標準的な塗料になっています。
よく使用されるため、製品数も多く、値段や品質に幅もあります。シリコン塗料の中でも価格が高く、グレードの高いものの方がやはり性能も耐久性も高い傾向があります。

<ラジカル制御型塗料>

耐用年数 :約12〜18年程度
単価: 2,300〜4,000円/㎡

「ラジカル」というのは、塗膜を劣化させてしまう物質です。この「ラジカル」の発生を制御して、塗膜を長持ちさせることができる機能性塗料で、一般的なシリコン塗料よりも耐久性が高いのが特長です。
ただ、主材となるのがシリコンやアクリルなどの樹脂です。「シリコン塗料」にラジカル制御機能を追加した塗料だとイメージしていただくとわかりやすいでしょう。ですので、塗料の品質は他の塗料のように樹脂の品質に左右されるので注意が必要です。

<フッ素塗料>

耐用年数 :約15〜20年程度
単価: 3,500〜5,000円/㎡

フッ素塗料は高価ですが光沢のある仕上がりを期待できます。シリコン塗料よりも耐久性が高く、汚れが水で落ちやすく、防汚性が高いのも特長です。価格は高いですが、長持ちするので結果的に費用を抑えることができるかもしれません。
ただ、塗膜が硬めなので、外壁材によってはフッ素塗料が向かないこともあります。

<光触媒塗料>

耐用年数 :約15〜22年程度
単価: 4,000〜5,500円/㎡

外壁に付着した汚れを、雨水を利用して分解する機能を持たせた機能性塗料です。
かなり単価は上がりますが、外壁が汚れにくくなるためメンテナンスの頻度は下がり、結果的に手間も費用も減らすことができます。フッ素塗料と同程度の耐久性も備えていますが、塗膜が少々ひび割れやすく、色のバリエーションはあまり多くないなどのデメリットもあります。
単価が高く、業者の方から積極的に提案することはないかもしれませんが、もしご希望であれば問い合わせの際に取り扱いの有無を聞いてみると良いでしょう。

<無機塗料>

耐用年数 :約20〜25年程度
単価: 4,500〜5,500円/㎡

ここまで紹介した多くの塗料に使われる主材である樹脂は「有機物」です。「有機物」は紫外線の影響を受けるので、外壁に使用すればどうしても劣化していきます。有機塗料の劣化をカバーするために、紫外線によるダメージを受けづらい「無機物」を配合した塗料が無機塗料です。高い耐久性に加えて難燃性も持ち合わせてているのが特長です。
かなり高い耐久性を誇りますが、その分やはり高価であり、各メーカーでも最高ランクの塗料であることが多いでしょう。また、塗膜が硬めなので使用に向いていない外壁材があること、ひび割れが発生する可能性があるのがデメリットです。

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以上のように、一口に外壁の塗料と言っても、様々な特徴を持った塗料があります。グレードが高く、高価であれば良いというわけではなく、使用する環境、外壁材、仕上がりイメージ、予算などを総合して塗料を選択する必要があります。
経験豊富な外壁塗装業者であれば、きっと最適な塗料を選び、提案してくれるでしょう。わからないことはしっかりと質問して、納得のゆく施工をしましょう。

主だったメーカーの塗料の詳しい情報をこちらでも紹介しています。ぜひご覧いただき、検討の材料にしてください。

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